日本とは大きく異なる知っておくべき7つのイタリア文化とは?

国が違えば文化や常識が大きく異なる!

 

今回は久しぶりに僕達の大好きな国「イタリア」についてのご紹介です!

ジョナサン

皆さんもご存知のようにイタリアは、最も世界遺産の多いヨーロッパの人気国です。世界第8位の経済大国という事もあり各都市、日々多くの観光客で賑わっています。しかし実はイタリアには観光では気付くことのできないユニークな、そして日本とは大きく異なる文化や特徴がたくさんあります。今回は衝撃的な7つのイタリア事情を徹底的に解説いたします。

 

Mr.ウィリアム

日本とイタリアは共通点もいくつかあれば、全く異なるポイントもあります。他国の文化を学ぶことは非常に面白いものです

 

1. イタリアの大学生は就活をしない?

 

日本では大学3年になると就職活動に励み、就職先が見つかれば卒論を書いて卒業・・というのが当たり前ですが、イタリアの学生は在学中に就職活動は行いません。

 

日本の皆さんはピンと来ないかもしれませんが、イタリアには、日本企業が毎年行うような、「定期採用」というものが存在しません。企業は、新しい人員補充の必要が出たとき、その人数分だけ人を雇うのです。しかも労働者の権利が強いイタリアでは、一度採用した社員を、会社が解雇するのは非常に困難な仕組みになっています。だから企業は新人の採用に関して、非常に慎重です。大学の就職相談課みたいなものは、当然ありませんし、インターネットでも、新規採用情報を見つけるのは、やはり難しいのです。では、どうするのか。

学校を出た若者は、自分の親や、親戚、その友達や、そのまた友達・・といったつてを頼って情報を集め、早くいってしまえばコネで就職するのが、むしろ一般的です。

 

出典元: 文藝春秋 ファブリツィオ・グラッセッリ(著) 「イタリア人と日本人、どっちがバカ?」より

 

日本の大学は入学が難しく、卒業は比較的楽であると有名です。入学してしまえばバイトやサークル活動に重点を置き、あまり勉強しないという学生も多いですね。この点においては日本がレアなケースであり、多くの国の大学では反対に、入学は安易で卒業が難しいという事の方が多いのです。日本の大学のように単位さえ取ってしまえば卒業できるというものでもありません。

 

イタリアも同様に大学を卒業することは非常に難しいと言われています。卒業までの経緯は、自身でタイミングを計らい、卒業したい旨を教授に伝えた後に難易度の高い最終試験を行い、さらに課題や卒論を提出し、それらをパスしたところでやっと卒業ができます。その為卒業のタイミングは個々で異なるので、日本のように特定の時期に街がリクルートスーツを着た就活生で溢れるということもないのです。

 

 

しかし卒業してからも定職に就くことが難しいという、とても厳しい状況がイタリアの若者を待ち受けています。イタリアは日本のように雇用において学歴を重視しておらず、その人物のスキルや経験度、信頼性等を重視しているのでイタリア企業は新卒を取ることを懸念しており、良い大学を出てもフリーターやニート生活を送っている・・という若者が沢山いるのです。そのため、上記にもあったようにイタリアは「コネ」で仕事を探します。この点はあまりにも日本とは大きく異なるので皆さんはなかなかイメージしにくいかもしれません。

 

先日発表された各国の15~29歳のニート比率のデータによると、日本が約9%であるのに対しイタリアは25%という結果が記されていました。これはフリーターではなくニートの比率です。つまりイタリアの若者の「4分の1が無職」という事になりますイタリアの失業率は世界でもトップレベルです。さらに最近は多くの手厚い保証により多くの移民(特にアフリカから)が押し寄せており、外国人に仕事を奪われ始めています。イタリアの若者の失業率は将来さらに増加することが予想できます。

 

 

2. 黙って我慢なんてしない!

 

以前の記事でもご紹介した内容と共通する部分ですが、イタリアという国ではとにかく「うまく立ち回る」方法を考える事が重要となります。

 

イタリア人のように陽気に人生を楽しむ方法とは?

 

イタリア人は「黙って我慢する」ということを嫌います。たとえば、ガソリンの値段がある日、2倍に高騰してしまったとしましょう。忍耐強い日本人なら、車に乗らない生活をしばらく我慢して続け、ガソリンの値段が下がるのを待つかもしれません。しかしこれがイタリア人なら「待つ」などということは、まずしないと思います。(余談ですが、日本人は「行列のできるおいしいお店」というものが好きですよね。でもイタリア人は、行列を作って待ってまで、おいしいものを食べようとは思いません)

 

では、イタリア人ならどうするのか。まずは何かのコネを利用するなど、様々な「裏ワザ」を駆使して「何とかうまく立ち回り」、安いガソリンを手に入れて、翌日から車を使う方法を考え出そうとするでしょう。それがイタリアの国民性です。

 

出典元: 文藝春秋 ファブリツィオ・グラッセッリ(著) 「イタリア人と日本人、どっちがバカ?」より

 

こういった場面でも強力な「コネ」が必要となります。ルールを守ることをどの国よりも重んずる日本ではイタリア人のこうした考え方は受け入れがたいかもしれません。

 

3. 皆大好き「バル」とは?

 

アルファベットで「Bar」と表記するので一見バー(酒場)の事のように感じるかもしれませんが、この国では「バル」と呼ばれる軽食喫茶店を指します。バルではコーヒー、サンドイッチやトーストなどの軽食、ジェラートやアルコールを注文することができます。酒場ではないので子供も入ることができ、アルコール以外は何でも注文可能です。

 

Mr.ウィリアム

イタリア人の社交場といったところです。イタリアに行った際は訪れてみてはいかがですか?

 

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4. 水の都ヴェネツィアの抱える問題

 

記事のアイコンにも使用した、水の都とも呼ばれる「ヴェネツィア」はその美しさに、世界中で「死ぬまでに必ず訪れたい」と謳われる場所の一つです。現在ベネツィアには約5万人の住民が住んでいますが、年間の観光客は約3,000万人。日本の有名観光地の一つ、箱根では年間観光客が約2,000万人という事を考えると、ベネツィアの観光客の量はとんでもないことがわかります。

 

 

しかしそこに住むヴェネツィア住民達は、心躍る観光客たちとは反対に、ストレスの多い過酷な生活を送っています。ヴェネツィアのみではなく世界各地の観光地でも言えることですが、観光客たちのマナーの悪さが現地の人々を悩ませているのです。中には運河で泳いだり、インスタ映えする写真を撮るためにボートの上でマナー違反行為をする人も後を絶ちません。

 

ヴェネツィアは元々物価が高いうえに、年に数回「アクアアルタ」と呼ばれる高潮により街が水没するため、住民達はそうした災害による家の修理費も毎年かかり、現地では住みにくい街と呼ばれています。

 

現地のとある学生は、ボートを使い毎日学校に行かなくてはならず、朝から大量に訪れる観光客に揉まれながら通学するので、学校へたどり着くにも本来1時間ほどで済む距離を2時間もかけて通学しているそうです。

 

美しい景色に気分が上がってしまう気持ちもわかりますが、観光に行った際はそこで暮らしている住民がいるという事を忘れずマナーを守りましょう

ジョナサン

 

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5. イタリアには2つの警察が存在する?

 

 

イタリアには警察の役割を果たす職業が2つ存在します。 ”ポリツィア(Polizia di Stato)”はいわゆる国家警察で、ブルーの車に主にネイビーの制服を着用しています。ポリツィアは内務省の管理下にあり、他国の国家警察と同様の扱いです。

 

もう一つが ”カラビニエリ(Carabinieri)“と呼ばれる軍警察です。ブラックにレッドのラインが入ったカラーの車と制服を着用しています。防衛省の傘下にあり、等級制度があったりと本質的には軍隊に似ています。任務はポリツィアとカラビニエリでは管轄などが少し異なりますが基本的な役割は同様で、どちらも警察として機能します。盗難などにあった際はポリツィアとカラビニエリ、どちらに盗難届を出しても対処してくれます。

 

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6. 北イタリアと南イタリアの格差

 

イタリアに長期滞在し、多くのイタリア人と話をしたり、様々なニュースを読んでいるうちにイタリア人はあらゆる面でイタリアを北と南で分け(厳密にいうと中部も分けられることがあります)、まるで別の国であるように話を展開していることが多いことに気が付くはずです。

 

日本人は関東と関西を比較した言い争いを繰り広げたり、イギリス人はイングランドはこうでスコットランドはこうだとパブで議論しあったり、冗談めいた形で始まる地域バトルはどの国でも起こります。しかし、イタリアの場合はこのような可愛げのあるやりとりとは異なります。この南北問題は皆さんが想像するより非常に深刻なものです。

 

 

イタリアの歴史を一から説明すると非常に長い話になるので割愛しますが、簡潔に説明すると、この問題は「イタリア」として国が統一されてからまだ150年あまりと日が浅いことが影響しています。それまで北イタリアと南イタリアが歩んできた歴史が全く異なるのです。

 

北イタリア(ミラノやヴェネツィアなど)は中世から近世初期にかけても小さな独立国であったのに対し、南イタリア(ナポリやシチリア島)はこれまで、ノルマン人、アラブ人、フランスやスペインなど様々な外敵の支配下にあり、何世代もに渡り外国人支配者の圧政に耐えてきたという背景があります。そのため、南イタリア人にとっては1861年のイタリア統一も「”北イタリア人”という外国人にまた支配された」という感覚に近いようです。

 

その長い”被支配”の歴史の中で、南イタリアの人々の心理に染み付いてしまった、弱点というか、傾向があります。それは「ヴィッティミズモ」= 犠牲者意識と、「アッテンディズモ」= 自ら動かず、嵐が過ぎるのをひたすら待つ、というものです。これは、南イタリアが経験してきた歴史に根ざしているのです。

 

南イタリアの生産性は、北部に比べてはるかに低く、経済的にも停滞しています。その背景には、大昔から、人々がいくら一生懸命働いても、その富がみんな外国人からの「支配者」に搾取されてしまった、という悲劇的な経緯が影響しているといえます。いくら頑張っても、自分や家族の為には何の役にも立たず、支配者の外国人にみんな吸い上げられてしまうとすれば、誰が「努力」などする気になるのでしょうか。

 

出典元: 文藝春秋 ファブリツィオ・グラッセッリ(著) 「イタリア人と日本人、どっちがバカ?」より

 

こちらをご覧ください。英文ですが、非常にわかりやすいイタリアの経済格差を表すGDP(国内総生産)のグラフです。Naplesというのはナポリで、Palermoはパレルモ、シチリア島にある都市です。この2都市は南イタリア、他の3都市は北イタリアです。

 

参考 Italy's north-south divide in one chartCityMetric

 

グラフを見ると北と南の格差が一目でわかります。そしてこうした影響もあり、北イタリアには「レーガ・ノルド(Lega Nord)」と呼ばれる南北分裂を掲げている政党まで存在するのです。

 

 

7. 南イタリアで蔓延るマフィアと闇経済

 

そして南イタリアの経済が悪化している理由としてマフィアの存在も大きく影響しています。イタリア政府が経済振興策として投資した公金はマフィアを通して闇経済に消えていくのです。

 

当然ですがイタリアでは、橋を作ったり道路を作ったり、トンネルを掘ったり、学校を作ったり、病院をつくったりという公共事業はほぼ100%、国費で賄われています。ただ、日本と違うところがあるとすれば、主に南部では、北部の私企業が南部に作る、支社や工場などの建築物にまで、「経済振興のための援助金」として国費が使われている点です。ここが、日本人には理解しがたい点かもしれませんね。

 

しかも、一番問題なのは、たとえば北部のヴェネト州などでは、政府の開発援助金がきちんとインフラのためのお金として使われているのに対し、南部ではマフィアのような犯罪集団や、犯罪集団と関係のある地元政治家の個人的なお金、つまりブラックマネーとして、どこか闇に消えてしまっているということです。

 

出典元: 文藝春秋 ファブリツィオ・グラッセッリ(著) 「イタリア人と日本人、どっちがバカ?」より

 

マフィアなどの犯罪組織は、多額の献金と票を入れる事で政治家達に利益を与え、その見返りとして政治家達はマフィアと癒着のある建設会社に公共事業を発注し、その事業費はブラックマネーとなるそうです。そのため南イタリアには作りかけの橋や、使われることのない病院や学校など「見せかけ」の建造物、つまり廃墟が多く存在するのです。

 

ならばマフィアを国から排除してしまえばいいのではないか?と皆さんお考えかと思いますが、そう簡単な問題ではないのです。

 

前述したように政治家のほとんどがマフィアや、その類の犯罪集団と何らかの癒着関係にあります。しかし、もちろんそうではない政治家も存在します。これまで反マフィアの政策を掲げた政治家も多くいました。しかし彼らの多くがその反マフィア活動を理由に命を落としました。まさに映画のような話が現実にイタリアでは起こっています。「マフィアのボスが逮捕された!」と報じられても結局またすぐに別のボスが誕生するという、永遠に終わる事のない戦いが繰り広げられているのです。

 

 

本日の一冊 — TODAY’S BOOK —

 

 

当著書はイタリアの首相がベルルスコーニからモンティに変わった頃に書かれたものなので政治に関する情報は少し古いです。(しかも今日のコンテ政権に至るまで3名も首相が交代しています)ですが、内容はイタリアを知るうえで非常に役立つものばかりです。架空の家族にそって今日のイタリア社会が説明されており、物語のように話が進むので非常に楽しめます。こういった本の構成や文章もイタリア人らしいセンスの良さを感じます。

 

本のタイトルの強気な煽り文句からは一見、複雑な社会を紹介している本には思えませんが、内容は先ほどご紹介したようなイタリアの南北問題や政治の話がほとんどで、実際日本との比較はほとんど出てきません。最後に少し日本の話題が出る程度です。

 

Mr.ウィリアム

イタリア人の書く文章は常にどこか芸術的で引き込まれるものがあります

 

あとがき

 

どのような国にも良い部分・悪い部分が存在します。他国の文化や情勢を知るうえで両面を学ぶことが重要だと、私は個人的に考えています。メディアは偏向報道がひどいですが、それらを素直にすべてを受け止めてしまう人が世の中に多いのも現状です。

 

「パリ症候群」という言葉があります。これはまさに日本人が陥りやすい問題の象徴の一つです。日本でパリは、おしゃれで美しい街というイメージが先行しています。メディアは「美しい部分」ばかり取り上げることで、人々はまるでパリは夢の国であるかのような幻想を抱きます。

 

しかし、高い理想を持って渡航した先で実際に目にするものはゴミがそこら中に散らばる街の光景や、冷たい人々、しまいにはスリの被害にあったりと散々な目に合い、最終的にそのギャップに耐えられず鬱状態になってしまうというものです。

 

 

Mr.ウィリアム

マンガや物語のような夢の国など現実には存在しません。魅力的な国と評価されているイタリアもこのように多くの問題を抱えています

 

私は今回のようにイタリアを時々ご紹介していますが、先ほども述べた通り、ポジティブな面だけではなくネガティブな面もお伝えしています。リアルで正しい事実を皆さんに知っていただく為です。

 

日本人はあらゆる物事に対し、高い理想と完璧さを求める傾向があります。例えば日本の消費者の企業に対する高い要求、自分自身に対しては痩せなくてはいけない、学歴や経歴が優れていなくてはいけない・・等と追い込みをかけます。日本でよく言われる、アイドルは恋愛してはいけないなどもおかしなルールです。完璧である事ばかり意識し、そして都合の悪い事に対しては隠したり逃げたりする事で「関わらない」という傾向があります。

 

しかしそうした極端な考え方を続けていては、他国に行った時に柔軟に対応することが出来ず、自分自身が苦しむ羽目になります。海外に行かないとしても、そのような生き方ではあなたはいつか壊れてしまいます。様々な視点から考える力を、そして完璧主義をやめる方法を日本でも学ぶ必要があります。

 

いろんな方法がありますが、やはりぜひ様々な国を冒険し、いろんな人々に出会い、様々な生き方や習慣を実際の目で見て感じ、学んでほしいと思います。さまざまな国の悪い点も良い点も知ったうえで、イタリアという国も好きになっていただたらといいなと願っています。

 

これからもイタリア情報をたくさん発信していくのでご期待ください!

ジョナサン

 

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